Grub(旧)が見つからない

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シノバー
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登録日時: 09/03/21(土) 00:05
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Grub(旧)が見つからない

投稿記事 by シノバー »

昔のパピー、たとえば 431JPには Grub legacy と Grub4Dosが同梱されていました。
しかし最近のパピー日本語版、たとえば 431JP2012には Grub legacy(旧)は外されています。
この理由は Grub4Dosが上位互換であることに気づかれず 、現在サポートされていない Grub legacy(旧)が使われてしまうことを避けるためです。

それでも慣れ親しんだ 旧Grub を使いたいという方はおられます。その場合、パッケージマネージャの Puppy-common のレポジトリに grub-0.97-29ubuntu53.pet があります。

FAQへの回答は以上で充分ですが、以下に私の思いを以下に詳しく述べます。
Grub4Dos ではなく 旧Grub を使いたい理由のひとつに、grubをパーティション・ブート・セクタ(PBS)にインストールしたいという要望があります。
Grub4DosConfig-1.7以降はPBSへのインストールもサポートしています。しかし、あまりお奨めできません。

旧来(いつごろ?)のブートのシステムは次のようなものです。
  1. 起動できるディスク(HDD)が複数ある場合、BIOSあるいは何らかのブートマネージャで起動ディスクを選択。
  2. 選択された起動ディスクに複数のパーティションがある場合、マスター・ブート・レコード(MBR)はブート・フラグのあるパーティションを見つけ、そのPBSに制御を移す。
このシーケンスでは起動できるパーティションは各ディスクにただ1つであることを前提としています。

しかし複数のWindowsを同一ディスクの別のパーティションにインストールすることは可能です。これはいったんブート・フラグのあるパーティションの ntldrを起動し、これから他のPBSにチェインするというトリックが使われています。また Windowsと Linuxを同一ディスクの別のパーティションにインストールすることも可能です。このときも Windowsの複数インストールと同じような手法が採られました。これが歴史です。

すなわち大昔は1つのディスクに1つのOS、その後1つのパーティションに1つのOSという考え方になったわけです。ところがパピーはWindowsの、あるいは他のLinuxのあるパーティションに共存でき、また1つのパーティションに複数のパピーをインストールすることも可能です(Frugal インストール)。
そうなると、MBR→PBS→そのパーティションにあるOSを起動、という概念が意味を失います。Grub4DosConfigはパピーの Frugal インストールに対応したものです。旧grubに付属の config は Frugal インストールに対応していません。

互いのOSの干渉を避けるため、1つのパーティションに1つのOSが安全だという考えがあります。それは正しいと思います。とりわけ Windowsと Linuxは別パーティションにするほうがよいと私も思います。
この考え方をさらに進めて、MBRには起動パーティションを選択するブートマネージャをインストールし、各パーティションに1つのOSと、そのPBSにそれぞれのブートローダをインストールする。そうするといずれかのパーティションが壊れても他のパーティションのOSは安全に起動できる。
それはそれでよろしいかと思いますが、MBRをGrub4Dosに切り替えれば、PBSに拘わることなく同じことができますし、各パーティションに1つのOSか複数のOSか、フレキシブルに選択できます。
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